中学2年生以上で入会した生徒たちの中には、
「国語力」で英文を読んでいる生徒もいます。
単語の意味から推測して、文の意味を理解しているのです。
「桜」「きれい」「咲く」「中」「庭」という単語から、
「桜がきれいに中庭で(庭の中で)咲く」
上記の例は小学2年生の国語の教科書の文です。
単語が5語以内の単文(主語・述語動詞が一組の文)なら、
ほぼ間違うことはありませんし、
5語以上でも、勘と運が良ければ訳も正解に近く、
大まかに文意もとれるかと思います。
そんな生徒に、前置詞、接続詞、分詞をきちんと押さえて
訳させようとすると、訳のスピードは落ちますし、
少しイライラもします。
それでは、小学6年生の国語の文を単語だけで訳してみましょう。
「だが」「にとって」「外国人」「たどりついた」「この島」「末」「長い」「船」「旅」
「それは」「ちがいない」「だった」「ささいな出来事」「が」「動物」
「逃走する」「から」「船」
これは
「だが、長い船旅の末この島にたどり着いた外国人にとって、
動物が船から逃走することは、ささいな出来事だったに違いない。」
という文を英訳し、それを英語の語順で単語の意味だけ並べたものです。
国語力だけで訳した場合の失敗例としてはまず
①「たどり着いた外国人(正)」→「外国人がたどり着いた(誤)」
分詞を述語動詞として訳してしまう
②「船旅の末この島に(正)」→「この島の末(端)に(誤)」
前置詞を前に出てきた名詞につけたり、それに合わせて単語の意味を取り違える
③「動物が船から逃走することは~だったに違いない(正)」
→「それは違いなかった、そしてささいな出来事が動物は船から逃走する(誤)」
・形式主語「それは」と真主語「動物が逃走すること」をの関係を文法からおさえられない
・不定詞「逃走する(こと)」を適当に訳してしまう、不定詞の主語を見つけられない
前置詞の訳し方も、学校や他の塾で体系立てて習ったことはない、とのことなので、
上記のような訳をされても「ちがうちがう!」ではなくて、思わず
「頑張ったね~力技だったね。」とねぎらいの言葉が出てしまいます。
英文の構成要素を一つ一つ、なぜこう訳すのか、どんな決まりがあるのか
そしてそれをどう使いこなしていくのか。
それを繰り返して身につけていくのが文法です。
昨今の文法軽視の風潮を目にし、耳にすると
「そんなわけあるかい」とひそかに心で毒づいてしまいます。
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